市民オンブズマンへの質問に答えます

「市民オンブズパーソン中野」共同代表
しいの木法律事務所 弁護士 八坂玄功

出勤偽装問題での田中大輔区長の説明に
「納得できない」「何かおかしい」と直感した区民の執念から、
「市民オンブズパーソン中野」が生まれました。
市民オンブズマン活動への疑問にお答えします。




「オンブズマン活動は自分には関係なさそう」
「お金も時間も余裕のある人の活動で、一般庶民が参加できる活動ではない?」


 いいえ、違います。市民オンブズパーソン・中野に参加しているのは、みんな普通の人です。みんなで力をあわせ、知恵を絞り、苦しい中からお金も少しずつ出し合って活動しています。
 主権者であるわたしたちにとって、オンブズマンの活動は必要です。
 民主主義・住民自治の本質は、「治者と被治者の自同性」(住民自身が税金の額や使い道を決めたり、相矛盾する利害の調整を行うなど、自ら統治すること)です。地方自治には、選挙による間接民主制だけでなく、民主主義の前提となる情報公開制度、住民自身が直接民主主義的に税金の使い道などを監督できる住民訴訟制度があります。市民オンブズパーソン・中野の勝訴した裁判も、住民訴訟と情報公開制度を活用したものです。
 市民オンブズパーソン・中野に参加する資格は、唯一、主権者として行動しようとする人(そのような意味で「市民」といいます)であることです。国籍、肌の色、支持政党、信仰、年齢、財力、学歴等々の別は、全く問題になりません。


情報公開や住民訴訟を自己目的化しても意味がないのでは?

 私は、次のような方向でオンブズマン活動を発展させたいと考えています(私個人の意見です)。
 いま、日本社会においては、新自由主義の思想と政策が支配的な地位を確立しています。新自由主義とは、古典的な「国家からの自由」「市場における競争の自由」「消極的自由」のみに価値を認め、市場への国家の介入や福祉政策などの「積極的自由」「生存権的自由」を敵視する思想と政策です。日本における新自由主義の思想と政策は、臨調行革路線による「受益者負担主義」の頃を経て、1990年代以降は福祉政策だけでなく開発主義的な保守派をも攻撃する「構造改革」路線として成長し、現在では、支配的な地位を確立するに至りました。
 いま、中野区も田中大輔区長のもと、「自立」「自己責任」「市場原理」という新自由主義的なキーワードを指針として運営されようとしています。
「自立」「自己責任」「市場原理」を掲げて区民に厳しい行革・リストラをすすめる区政が、身内の幹部職員にはいかに甘いものであったかを明らかにしたのが、市民オンブズパーソン・中野の最初の取り組みでした。
 私たちが、福祉政策の後退を阻止し、前進を実現するためには、「自立」「自己責任」「市場原理」というドグマ(教条)とたたかうことが必要です。これは、福祉関係者だけでなく、従来の保守派の人を含めて、新自由主義の思想と政策によって攻撃されている全ての人が共同して取り組むことのできる課題です。
 市民オンブズパーソン・中野の活動が、そうした方向でさらに発展するよう、今後も努力していきたいと思っています。

[NPO中野ふくし倶楽部通信]より転載  NPO中野ふくし倶楽部
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by ombudsnakano | 2007-02-03 21:32 | 市民オンブズマンとは?  

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