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裁判ニュース  No.8 2006.11/8号

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●有給休暇の承認も休職処分も無効
●区長に賠償請求命令


平成17年(行ウ)第70号・第232号
東京地方裁判所民事3部   
損害賠償請求(住民訴訟)事件
裁判長裁判官  鶴岡稔彦

主文
1原告ら及び原告共同訴訟参加人らの本件訴えのうち,被告が亡Aに対し,平成16年2月
 16日から同年3月9日までの期間について行なった年次有給休暇の取得の承認及び 同月
 10日から同年9月9日までの期間について行なった休職処分が無効であることの確認を求
 めている部分をいずれも却下する。注1)

2被告は、B及びCに対し、連帯して、82万4000円及び これに対する平成16年4月
 16日から支払済みまで年5分の割合による金員を中野区に支払うよう請求せよ。注2)注4)

3被告は、D及びE(訴外Aの相続人)に対し、連帯して、82万4000円及びこれに対す
 る平成16年4月16日から支払済みまで 年5分の割合による金員を中野区に支払うよう
 請求せよ。注3)注4)

4被告が、B及びCに対し、連帯して、82万4000円及び これに対する平成16年4月
 16日から支払済みまで年5分の割合による金員を中野区に支払うよう請求することを怠る
 ことが違法であることを確認する。注5)

5被告は、D及びE(訴外Aの相続人)に対し、連帯して、82万4000円及びこれに対す
 る平成16年4月16日から支払済みまで 年5分の割合による金員を中野区に支払うよう
 請求することを怠ることが違法であることを確認する。注5)

6原告ら及び原告共同訴訟参加人らのその余の請求をいずれも棄却する。注6)

7訴訟費用は,これを2分し,その1を被告の負担とし,その余は原告ら及び原告共同訴訟
 参加人らの各負担とする。注7)


注1)  参事(A)に対する「年次有給休暇の承認及び休職処分の無効確認を求める訴え」を、住民訴訟の対象である財務会計行為に当たらないとして棄却ではなく却下する。訴えが不適当としているので,これらの処分が有効であったとしているわけではない。「損害賠償請求の訴え」では、被告の「本件の有給休暇の承認及び休職処分は適性であり、これを前提として超過支給分を計算返還しているので、財政的に問題ない」とする主張に対して、有給休暇の取得の効力は生じていない。過去に遡っての休職させる部分は無効であると明確に述べており.それが損害賠償請求の返還額査定の前提になっている。

注2)  総務課長(C)は、参事(A)が出勤していないことを知りながら、虚偽の出勤を記録した結果、参事(A)が通常勤務しているものとして給与を全額支給させたものであるから、不法行為による損害賠償義務を負う。総務部長(B)も、Cから対応を相談され、当面出勤扱いで処理することを指示し、その後、Aの出勤状況等について何ら確認することなく放置したものであるから、Cとの共同不法行為責任を負う。被告区長は、両人に対して、損害賠償請求権を行使せよ。
(適正な有給休暇の承認及び休職処分を前提とした、中野区が両人に対する行なった懲戒処分の妥当性 の判断等は、本法廷の範囲外である)

注3)  無効な有給休暇の承認及び休職処分の結果、不当利得を得た参事(A)の遺族D、Eは、中野区に対して不当利得返還義務を負うこととなり、被告区長は、両人に対して、不当利得返還請求権を行使せよ。

注4)  裁判で明らかになった、不当超過支給金額は94万2179円であるが、本裁判の請求額は原告請求額の82万4000円となっている。利子についても原告の請求のままとした。
(被告区長が94万2179円を請求するかどうかは、本裁判の範囲外である)

注5)  違法な給与支給が行なわれた時点で、区の財産が流出したという意味での損害が生じたことは明らであり、被告区長に総務課長(C)総務部長(B)に損害賠償の請求をすることを求め、また、参事(A)の遺族D、Eに、不当利得の返還請求をすることを求めた。これを怠ることは違法であるとした。

注6)  被告区長の管理責任に対しては、参事(A)は課長級職員で、この有給休暇及び休職処分の事案決定は部長にあり、区長が知らなかったこともやむなしとする。また、有給休暇の承認や休職処分は無効で、損害賠償権もあることから、原告の「被告区長が、区長個人に対して損害賠償を請求する訴え」は、棄却する。
(住民監査請求による監査委員会の勧告を無視し、勧告を出した監査委員を交代させ、再度の住民監査請求を却下した責任、不法行為を行なった総務課長,総務部長を区政で重用した責任などの判断は、本法廷での範囲外である。また,総務部長の責任等についても同じである)

注7)  民事裁判なので,訴訟費用(2万8000円)は、被告、原告半々となっている.弁護士費用等の裁判費用も、被告,原告で各自支払う事となる。
(被告の裁判費用は区費・税金から支払われるのでしょうか? 納得できませんね)

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by ombudsnakano | 2006-12-08 20:24 | 裁判ニュース